史跡案内 - History -

河原町界隈の史跡案内④蛸薬師堂(永福寺)

京の通り名に歌われている「姉、三、六角、蛸、錦」の中の「蛸」が蛸薬師通りである。こちらは、蛸薬師通りの北側、新京極に面している。本尊の薬師如来は、この寺が室町二条蛸薬師町にあったころ境内の池中の島に安置していたので、水上薬師または沢(たく)薬師と呼んでいたのが訛り蛸薬師になったともいう。また、この寺の僧善光が、病の母の願いでやむを得ず蛸を買った。それを見ていた人に仏門の身でありながらと咎められ、蛸の箱を開けさせられたが、日頃信仰する薬師如来に祈念したところ、中の蛸が「薬師経」に変わっていた。この光景を見た人々が皆合掌し称えると、この経巻が再び蛸になり、門前にあった池(今の御池通の由来となった御池)に入り、瑠璃光を放って善光の母を照らすと、病気はたちまち回復したという。この地で病気平癒を祈ればたちまち回復するといわれ、嘉吉元年(1441)に勅願寺となった。